倉庫の中はいつも通り静かだった。

使い込まれたソファ。

古びたテーブル。

壁際には工具や段ボールが積まれている。

煌月だけが知る、落ち着ける場所。

星那はソファへ近付くと、腕の中の綺羅を壊れ物でも扱うようにゆっくりと寝かせた。

乱れた前髪をそっと避け、毛布を掛ける。

その手つきがあまりにも自然で、那瑠は思わず笑った。


那瑠「星那、優し。」


星那「寝てるだけ。」


短く返す。


綾人「答えになってねぇ。」


少しだけ空気が和らいだ。

真尋はソファの前へ立ったまま綺羅を見つめる。

あんなに必死な顔で抱き締められたのは初めてだった。

それなのに、自分を見ているようで見ていなかった。

真尋は小さく息を吐く。


真尋「……琉羽って、誰なんだ。」