校門前は静まり返っていた。

さっきまで響いていた怒号はもうない。

倒れた他校の人間達を横目に、煌月の五人は気を失った綺羅を見つめていた。

誰も口を開かない。

しばらく流れた沈黙を破ったのは星那だった。


星那「……連れて帰る。」


短い一言。

その言葉に那瑠が顔を上げる。


那瑠「保健室じゃなくて?」


星那「人が多い。」


綾人「あそこじゃ面倒になるな。」


確かに、あれだけ大勢の生徒が見ていた。

保健室へ運べば、あっという間に学校中へ噂が広がる。

紫月は静かに綺羅へ視線を落とした。


紫月「倉庫でいい。」


真尋「でも先生には……。」


紫月「後で俺が話す。」


それだけ言うと紫月は歩き出した。

星那はしゃがみ込み、そっと綺羅の身体を抱き上げる。

思ったより軽い。

腕の中で眠る綺羅は、さっきまで何十人もの相手を倒していた人間とは思えないほど穏やかな寝顔をしていた。

星那は何も言わず、そのまま歩き始めた。