「真尋っ!!」


誰かの声が響く。

だけど遅かった。

鈍い音と同時に鉄パイプが振り下ろされる。

真尋は振り返る暇もなく、その一撃をまともに受けた。

ガンッ――。

重たい音が辺りに響く。

真尋の身体が大きく揺れ、そのまま片膝をつく。

地面へ赤い雫が落ちた。

血。

その光景を見た瞬間、私の呼吸が止まる。

違う。違う。

これは真尋。

琉羽じゃない。

分かっている。

分かっているのに。

目の前で膝をつく姿が、あの日の琉羽と重なって見えた。


『綺羅……』


頭の奥で、聞こえるはずのない声が響く。

視界が大きく揺れた。