喧嘩は一瞬で広がった。
怒号が飛び交い、拳がぶつかる鈍い音が校門前に響く。
他校の人間もかなりの人数だ。
それでも煌月の五人は落ち着いていた。
綾人は向かってきた男の腕を掴み、そのまま地面へ叩きつける。
那瑠は軽く身をかわしながら相手の懐へ入り、一撃で動きを止める。
真尋は周囲を見ながら仲間の死角を埋めるように動き、紫月はほとんど表情を変えないまま次々と相手を倒していった。
星那だけは少し遅れて歩きながら、小さく欠伸をしている。
それでも相手が近付けば最小限の動きだけでいなし、何事もなかったように歩き続ける。
強い。
見ているだけで分かる。
私は無意識に拳を握り締めていた。
帰ろう。
そう思うのに、視線だけはどうしても逸らせなかった。



