?「こんな所で女がなにしてんだ」


振り返り声をかけてきた人の顔を見る。

光に当たり暗い紫に見えるけど派手すぎない夜空みたいな髪色にキリッとしてて冷たそうな目をしてるけどもの凄い整ってる顔の男がいた。


綺羅「転校生で理事長室に行こうと思ったんだけど道に迷った」


何も言わずジーッと見てくる。その冷たい瞳が、まるで私の奥を探るように向けられていた。

なんだろう。

初対面のはずなのに。

まるで何かを確かめるみたいな――。

視線がすごい気になるけど今ここにいるのはこの人だけだ。理事長室の場所を聞くためにもう一度声を出そうとしたら。


?「理事長室はこっちだ。着いてこい」


低く落ち着いた声だった。

命令口調なのに不思議と威圧感はない。

だけど逆らえないと思わせる何かがあった。

でも案内はしてくれるのか。冷たそうに見えたけど意外と優しいらしい。

『ありがとう』と小さく呟いて後ろから着いていく事にした。


しばらく歩くと理事長室と書かれた扉の前に着いた。

もう1度お礼を言おうと彼を見るとすでにもう歩き出していて近くにいなかった。

まぁいいや。軽く息を吐くと理事長の扉をバッと開けた。ノックなんてするの忘れていた。