校門へ近付くにつれ、生徒の姿が増えていく。

その中を歩いていると、前から聞き覚えのある声が飛んできた。


翔「綺羅!」


朝から元気だな。

そう思いながら振り返る。

翔は大きく手を振りながら駆け寄ってきた。


翔「おはよう!」


綺羅「……おはよう」


翔「ちゃんと来た!」


綺羅「来るって言ったでしょ」


翔「いや、ちょっと心配だった」


昨日一日でそんなに信用がないんだろうか。

少しだけ不満そうな顔をすると、翔は笑いながら頭を掻いた。


翔「だって綺羅、ふらっと来なくなりそうじゃん」


図星だった。

昨日までの私ならそうしていたかもしれない。

だけど。

もう逃げないと決めた。


綺羅「今日はちゃんと帰るまでいる」


翔「それ聞いて安心した」


そう言って笑う翔を見ていると、少しだけ肩の力が抜けた。