時計の針は、もう夜を知らせている。

そろそろ帰る時間。

そう分かっているのに、どちらも立ち上がろうとしない。

別れるのが寂しい。

そんな気持ちを口にしなくても、お互い分かっていた。

綺羅は星那の手をそっと握る。


綺羅「ねぇ。」


星那「?」


綺羅「これから先もさ。」


少しだけ照れながら笑う。

綺羅「喧嘩する日もあると思う。泣く日もあるかもしれない。でも。」


一度言葉を止めて星那の瞳を真っ直ぐ見つめた。


綺羅「そのたびに、一緒に帰ってこよう。この場所に。」


星那は何も言わない。

ただ優しく綺羅の手を握り返した。

その温もりが返事だった。

それでもちゃんと言葉が欲しくなってしまう。

そんな私の気持ちを知っていたみたいに、星那は小さく笑った。


星那「……約束。」


たった四文字。

なのに、涙が出そうなくらい嬉しかった。