夜になって窓の外には、静かな夜空が広がっていた。

綺羅はソファへ腰を下ろり、何気なく窓の外を眺める。

こんなふうに、何も考えず夜を迎えられる日が来るなんて。

昔の私は、夜が嫌いだった。

目を閉じれば思い出すのは琉羽のこと。

憎しみばかりを抱えて、朝が来るのを待っていた。

でも今は違う。

夜が来るたび思う。

“今日も幸せだったな。”

そう思える毎日をくれたのは、隣にいる人だった。

ふと肩へ重みを感じる。

見ると、星那が静かにもたれ掛かっていた。

その表情は穏やかで、安心しきっている。

綺羅は優しく微笑み、その頭をそっと撫でた。


綺羅「眠たい?」


星那「……少し。」


綺羅「ふふっ今日はいっぱい歩いたもんね。」


星那は小さく頷く。

それから綺羅を見上げ、照れたように笑った。


星那「……今日も幸せだった。」


その一言だけで、胸がいっぱいになる。

“私も。” 心の中で何度もそう答えていた。