星那がゆっくり顔を上げる。

目が合う。

こんなに近い距離なのに、不思議ともう緊張はしなかった。

その代わり胸の奥がじんわり温かくなる。

この人といると、いつもそうだ。

ドキドキする。

でも、それ以上に安心する。

綺羅は自然と笑みを浮かべた。


綺羅「ねぇ。」


星那「?」


綺羅「好き。」


たまには、自分から言ってみたかった。

言った瞬間、自分の方が恥ずかしくなってしまう。

“あぁ、言っちゃった……。”

顔が熱い。

星那は少し驚いたように目を見開く。

それから、ふっと優しく笑った。


星那「……知ってる。」


綺羅「えぇ?」


思わず笑ってしまう。


綺羅「普通そこは『おれも』じゃない?」


星那は少しだけ照れながら、綺羅の頬へそっと手を添えた。


星那「……おれの方が。」


一度言葉を止める。

照れている。珍しい。

そんな姿まで愛おしい。

星那は綺羅を真っ直ぐ見つめて、小さく笑った。


星那「好き。」


その一言だけで十分だった。

きっと私は、この先何年経っても。

この人に恋をし続ける。