夕方になってショッピングモールを出ると、空は茜色へ染まり始めていた。

夕日を見ると、不思議とあの日を思い出す。

屋上での告白。

“好き。”

たった一言で、私の世界は変わった。

あれからまだそんなに時間は経っていないのに、もうずっと前のことみたいに感じる。

綺羅は歩きながら、隣の横顔を見つめた。

本当に幸せそうに笑うようになった。

眠そうな顔は変わらないけど、その瞳にはちゃんと温もりがある。

そんな横顔を見ているだけで、胸がいっぱいになる。


綺羅「ねぇ。」


星那「?」


綺羅「私ね。」


綺羅「星那が笑ってると、すっごく安心する。」


星那は少し驚いたように綺羅を見る。

それから照れたように笑った。


星那「……おれも。」


その三文字だけで十分だった。

きっと同じ気持ちなんだ。

そう思えることが、何より嬉しかった。