四回目。アームがぬいぐるみを持ち上げる。

ゆっくり。ゆっくり。

お願い。落ちないで。

気付けば私まで息を止めていた。

コトン。出口へ落ちる音が響く。


綺羅「取れた!」


思わず子どもみたいにはしゃいでしまう。

嬉しくて、星那を見る。

星那は少し照れたように笑いながら、ぬいぐるみを取り出した。

そして、何も言わず綺羅へ差し出す。


星那「……はい。」


綺羅はぬいぐるみを受け取る。

柔らかい。

でも、それ以上に胸の奥が温かかった。

“欲しい”って思っただけ。

私は何も言ってない。

それなのに気付いてくれて。

こんなに一生懸命取ってくれた。

そんなことされたら、もっと好きになるに決まってるじゃん。

綺羅はぬいぐるみをぎゅっと抱きしめ、優しく笑った。


綺羅「ありがとう。大事にするね。」


星那は照れくさそうに頷く。


星那「……ぬいぐるみも。」


少し間を置いて、綺羅を見つめる。


星那「綺羅も。」


その一言で、また心臓が大きく鳴った。

……本当に敵わない。

この人の一言で、何度恋に落ちれば気が済むんだろう。