倉庫の隅では星那がソファ代わりに置かれた古いマットの上で横になっていた。
綾人が缶ジュースを投げる。
それを片手で受け取った星那は、少しだけ目を開いた。
綾人「起きてたのか」
星那「今起きた」
相変わらずだった。那瑠が呆れたように笑う。
那瑠「転校生見た?」
星那「見た」
那瑠「どうだった?」
星那は少しだけ考える。
本当に少しだけ。そして。
「普通」とそう答えた。
那瑠が吹き出す。
那瑠「絶対適当だろ」
星那「普通だったし」
興味なさそうに缶を開けながら星那が言う。
だけどその時、真尋がふと気付いたように目を細めた。
真尋「そういえば」
真尋の声に全員が視線を向ける。
真尋「星那、お前あの転校生と話してなかったか?」
その言葉に倉庫の空気が一瞬だけ止まった。



