そのまま歩いていると、小さなゲームコーナーが目に入った。

入口には大きなクマのぬいぐるみ。

思わず綺羅の足が止まる。

……かわいい。

そんな視線に気付いたのか、星那も隣へ並んだ。


星那「欲しい?」


綺羅は慌てて首を横に振る。


綺羅「いやいや。見るだけ。」


本当は少し欲しかった。

でも、UFOキャッチャーなんて取れる気がしない。

そう思っていると、星那が百円玉を入れ始めた。


綺羅「えっ!?星那、待って!」


星那は真剣な表情でアームを動かす。

思わず笑ってしまう。

こんなに真剣な顔、喧嘩以来じゃない?

一回目。失敗。

二回目。惜しい。

三回目。あと少し。

その横顔があまりにも真剣で。

“そこまでしてくれるんだ。”

その気持ちだけで十分嬉しかった。

胸がじんわり温かくなる。