フードコートで少し休憩することにした。
向かい合って座る。
アイスを一口食べながら、綺羅はぼんやり星那を眺めていた。
本当に変わったな。
前は人に興味なんてなさそうで笑うことも少なくて眠そうな顔ばかりしていた。
なのに今は私を見るたび、こんなにも優しく笑ってくれる。
全部、私だけに向けられる笑顔。
そう思うだけで、胸がいっぱいになる。
星那がスプーンを止めた。
星那「綺羅。」
綺羅「ん?」
星那「口開けて。」
……え?
一瞬、思考が止まる。
綺羅「な、なんで?」
星那「一口。」
そう言って、自分のアイスを差し出してくる。
その仕草が自然すぎて、逆に恥ずかしい。
これってあーんってこと?
周りには人もいるし恥ずかしい。
でも断る方がもっと恥ずかしい気がする。
綺羅は勇気を出して、小さく口を開けた。
綺羅「……あー。」
星那は嬉しそうに笑って、アイスを運ぶ。
甘い。アイスも今の空気も全部甘すぎる。



