プリクラを財布へしまいながら、綺羅は何度も笑ってしまう。

こんな一枚の写真が、こんなにも嬉しいなんて。

少し前の自分なら信じられなかった。

笑って。手を繋いで。お揃いの指輪をして。写真を撮って。

そんな”普通”が、私には一番遠い未来だと思っていた。

でも、その全部を隣の人が叶えてくれている。

歩き出そうとした、その時だった。

ぐいっと不意に手を引かれる。


綺羅「えっ?」


振り返ると、星那がじっとこちらを見つめていた。

何か言いたそうなのに、言葉が出てこない。

そんな顔。

……どうしたんだろう。

綺羅は首を傾げる。


綺羅「星那?」


星那は少しだけ視線を逸らして、小さく口を開いた。


星那「……かわいい。」


また。また不意打ち。

もう何回目だろう。そのたびに心臓はちゃんと跳ねる。

慣れる日は、一生来ない気がした。


綺羅「もう……今日は褒めすぎ。」


星那は少し照れながら笑う。


星那「……足りない。」


その笑顔に、また好きが増えた。