那瑠「絶対嘘だ」
那瑠が即座に言った。綾人も頷いて真尋は苦笑するだけだった。
紫月は昔からそうだ。興味がない時は本当に見向きもしない。
だけど興味を持った時ほど何も言わない。だから長い付き合いの仲間達には分かる。
真尋「朝から見てたよね?」
真尋が静かに言う。紫月は否定しなかった。
その反応に那瑠が笑う。
那瑠「ほら」
紫月「珍しいから見ただけだ」
ようやく返ってきた言葉に綾人が肩を竦める。
綾人「まぁ珍しいのは確かだよね」
月ヶ瀬学園初の女子生徒。
それだけでも十分話題になる。
だが、それだけではない気がしていた。
少なくとも紫月はそういう理由だけで誰かを気にする人間ではない。
那瑠は面白そうに笑いながら口を開く。
那瑠「なんかあるの??」
紫月「ない」
那瑠「またまた」
紫月「ない」
会話はそこで終わった。
だけど誰も信じていない。
紫月自身も、それ以上説明するつもりはないらしかった。



