そろそろ起こさなきゃ。

そう思っているのに、その寝顔を見ていると、もう少しだけこのままでいたくなる。

安心して眠れる場所。それが自分の隣なんだと思うと、胸の奥がじんわり温かくなった。

あの日「帰る場所は綺羅だった。」そう言ってくれた言葉は、今でも宝物みたいに心へ残っている。

綺羅は小さく息を吸い、もう一度優しく声を掛けた。


綺羅「星那。朝だよ。」


星那はゆっくり目を開ける。

まだ眠そうな瞳が綺羅を映した。


星那「……おはよう。」


綺羅「おはよう。」


朝一番に交わす、その何気ない挨拶が嬉しい。

それだけで今日も良い一日になりそうだと思えた。