二人で玄関へ向かう。

綺羅がスニーカーを履こうとすると、星那は自然としゃがみ込んだ。

何をするのかと思った次の瞬間ほどけていた靴紐を結び始める。

綺羅は思わず目を丸くした。


綺羅「えっ、ちょっと!」


星那「ほどけてた。」


綺羅「自分でできるよ?」


星那「知ってる。」


そう言いながら、丁寧に蝶々結びを作る。

結び終えると、星那は満足そうに立ち上がった。


星那「よし。」


綺羅は思わず笑ってしまう。

胸がくすぐったい。

誰かにこんなふうに大事にされたことなんて、今まで一度もなかった。


綺羅「ありがとう。」


星那「うん。」


照れた様子もなく笑う星那を見て、綺羅はまた好きが大きくなるのを感じていた。