食器を洗い終え、手を拭いていると、後ろから服の裾をちょんと引かれる。

まただ。今日は何度目だろう。

綺羅は笑いながら振り返る。

星那は少し眠たそうな顔で立っていた。

その表情を見るだけで、何を言いたいのか分かってしまう。


綺羅「どうしたの?」


星那「……ぎゅー。」


綺羅は思わず吹き出した。

まるで子どもがおねだりをするみたいな言い方だった。


綺羅「ぎゅーしてほしいの?」


星那は素直に頷く。


星那「うん。」


その返事が可愛くて、綺羅は何も言わず両手を広げた。

次の瞬間。星那は安心したように綺羅を抱きしめる。

力は優しい。でも、離したくない気持ちだけはしっかり伝わってきた。

綺羅は背中へそっと腕を回す。

胸の奥がじんわり温かくなる。

この人は、本当に安心できる場所を見つけたんだ。

そう思うと、自然と頬が緩んだ。