数分後にやっと星那がゆっくり目を開ける。

まだ眠そうな瞳が綺羅を映した。


星那「……おはよう。」


綺羅「おはよう。」


穏やかな朝。

綺羅はくすっと笑う。


綺羅「ねぇ?私、起きてから五分くらいずっと捕まってるんだけど?」


星那は一瞬きょとんとしたあと、自分の腕を見る。

綺羅をしっかり抱きしめていることに気付き、耳が少し赤くなった。


星那「……ごめん。」


そう言いながらも、腕はまだ離れない。

綺羅は笑いながら首を傾げる。


綺羅「謝るなら離して?」


星那は少しだけ考え込む。

そして真面目な顔で答えた。


星那「……もう少し。」


その一言が可愛すぎて、綺羅は笑いを堪えきれなかった。


綺羅「もう!そんなこと言われたら、離れられないじゃん。」


綺羅はそっと星那の頭を撫でる。

星那は気持ちよさそうに目を細め、綺羅の肩へ額を軽く擦り寄せた。

その姿は、まるで大好きな飼い主に甘える猫のようで。

綺羅は愛おしさを隠せず、小さく笑った。