映画はちょうど終盤へ差しかかっていた。

感動的な場面が流れているはずなのに、綺羅はほとんど内容が頭に入ってこない。

その理由は、隣にいた。

肩へ頭を預けていた星那は、いつの間にか静かな寝息を立てている。

綺羅は思わず笑みを零した。


綺羅「やっぱり寝ちゃった。」


小さく呟き、前髪を優しく撫でる。

すると、眠ったまま星那が少しだけ身体を寄せてきた。

ぎゅっと綺羅の腕へ自分の腕を絡めるように抱きつく。


綺羅「えっ……。」


思わず身体が固まる。

星那は起きる気配もなく、安心しきった表情で眠っていた。

綺羅は照れたように笑う。


綺羅「無意識なんだろうなぁ……。」


そう言いながら、逃げるどころか優しく頭を撫で続けた。

無意識だとしても甘えられることが、少し嬉しかった。