綺羅「それで? 用件終わり?」


真央「終わりじゃねぇよ」


綺羅「まだあるの」


真央「転校初日くらいちゃんと報告しろ」


呆れたような声に小さく息を吐く。

報告と言われても話す事なんてない。

転校して、授業を受けて、帰ってきただけだ。


真央「クラスどうだった」


綺羅「普通」


真央「だからその普通が聞きてぇんだよ」


本当にしつこい。

私は少し考えてから口を開いた。


綺羅「うるさい人がいた」


真央「友達出来そうじゃん」


綺羅「出来ない」


即答すると真央が笑う。


綺羅「あと変な学校だった」


真央「それは否定できねぇな」


月ヶ瀬学園は進学校のくせにヤンキー高校として有名だ。

普通に考えて意味が分からない。


綺羅「変な人ばっかり」


真央「お前が言うな」


綺羅「失礼」


そんなやり取りをしているうちに、少しだけ気持ちが軽くなっている事に気付く。

昔からそうだった。

真央と話している時だけは、余計な事を考えずに済んだ。