食べ終わって綺羅は食器を片付けようと立ち上がる。

すると、星那も一緒に立ち上がった。


綺羅「いいよ、座ってて。」


星那「手伝う。」


綺羅「でも、お客さんだし。」


星那「恋人。」


一瞬、言葉に詰まる。


星那「一緒にやる。」


綺羅は小さく笑った。


綺羅「……そうだったね。」


二人で並んでキッチンへ立つ。

綺羅が洗って星那が拭く。何気ない作業なのに、どこか新婚さんみたいで照れくさい。

綺羅はそんなことを思いながら皿を洗っていた。

その時袖がちょん、と引っ張られる。

振り向くと、星那が少し困ったような顔をしていた。


綺羅「どうしたの?」


星那「……泡。」


綺羅の頬に、食器用洗剤の泡が少しだけ付いていた。

綺羅は笑いながら自分で取ろうとする。

しかし、その前に星那がそっと指先で泡を拭った。

ほんの一瞬指先が頬へ触れる。

二人とも動きが止まった。

目が合って綺羅は照れ笑いを浮かべながら、小さく呟いた。


綺羅「今日は……本当にドキドキしっぱなし。」


星那は少しだけ照れたように笑う。


星那「……おれも。」