穏やかな空気の中、二人で夕飯を食べ始める。
綺羅は星那の様子を横目で見て、小さく笑った。
付き合う前と違うのは、表情だった。
眠そうなのは変わらない。
でも、どこか柔らかい。
優しい顔で笑うことが増えた。
綺羅「美味しい?」
星那「……美味しい。」
綺羅「よかった。」
綺羅が嬉しそうに笑うと、星那は少しだけ箸を止めた。
星那「綺羅。」
綺羅「ん?」
星那「口。」
綺羅はきょとんとする。
綺羅「え?」
星那はそっと綺羅の口元を指差した。
星那「ソースついてる。」
綺羅は慌てて口元を拭こうとする。
すると星那はティッシュを一枚取り、優しく綺羅の口元を拭いた。
綺羅「……っ。」
あまりにも自然な仕草に、綺羅は固まってしまう。
星那「取れた。」
綺羅「ありがとう……。」
顔が熱いし心臓がうるさい。そんな綺羅を見て、星那は少しだけ微笑んだ。



