ガチャ。

玄関の扉が開く。


綺羅「どうぞ。」


星那は静かに部屋へ入り、いつものように靴をきれいに揃えた。

その姿を見て、綺羅はくすっと笑う。


綺羅「ほんと真面目。」


星那「……当たり前。」


綺羅がドアを閉めようとした、その時。

小さな声が聞こえた。


星那「……ただいま。」


綺羅はゆっくり振り返る。


綺羅「え?」


星那は少し照れたように目を逸らした。


星那「言ってみたかった。帰る場所ができたみたいで。」


その言葉に、綺羅の胸がぎゅっと締め付けられる。

優しく微笑みながら、星那へ歩み寄った。


綺羅「おかえり。星那。」


その一言だけで十分だった。

星那は安心したように、小さく微笑んだ。