夕暮れの街を、綺羅と星那はゆっくり並んで歩いていた。

恋人になって初めて迎える、何も起こらない穏やかな一日。

繋いだ手は少し照れくさい。

それでも、どちらも離そうとはしなかった。

綺羅のマンションへ着くと、綺羅は立ち止まり、星那へ振り返る。


綺羅「ねぇ。」


星那「?」


綺羅「今日……泊まっていく?」


その一言に、星那は少しだけ目を見開いた。


星那「……いいの?」


綺羅「恋人なんだし。」


少し照れながら笑う。


綺羅「それに、今日はもう少し一緒にいたい。」


星那の表情がふわっと柔らかくなる。


星那「……うん。泊まる。」


その返事が嬉しくて、綺羅は思わず笑った。


綺羅「そんなに嬉しい?」


星那「嬉しい。綺羅と一緒にいられる。」


真っ直ぐな言葉に、綺羅は耳まで赤くなる。


綺羅「そういうこと普通に言うよね。」


星那「思ったから。」


綺羅は照れ笑いを浮かべながら玄関の鍵を開けた。