綺羅はゆっくり星那の頭を撫で続ける。
窓の外では、夕日が沈み、夜空へ一番星が輝き始めていた。
綺羅「おかえり。」
その優しい声に、星那は目を閉じたまま小さく笑う。
星那「……ただいま。」
その短いやり取りだけで十分だった。
もう、一人じゃない。
守りたい人がいる。
帰りたい場所がある。
どんな暗闇の中でも、もう迷わない。
綺羅は窓の外へ視線を向け、小さく呟く。
綺羅「ねぇ、星那。ECLIPSEって、日食や月食のことだけじゃないのかもしれないね。」
星那はゆっくり顔を上げる。
綺羅は穏やかに微笑んだ。
綺羅「どんなに世界が暗くなってもその先には、ちゃんと光が待ってる。」
星那は綺羅の手をそっと握る。
星那「……うん。見つけた。おれの光。」
綺羅は少し照れながら、その手を握り返した。
暗闇を越えて出会った二人。
失う痛みを知っているからこそ、人を愛する温かさを知ることができた。
そして――。
二人の未来は、ここから始まる。
『ECLIPSE』 完



