綺羅は玄関の扉を開け、少し照れくさそうに振り返った。


綺羅「どうぞ。」


星那は静かに部屋へ入る。

部屋の中は綺麗に片付いていて、ふんわりと優しい香りが漂っていた。

星那は辺りを見回す。


綺羅「何もない部屋だけどね。」


星那は小さく首を横へ振る。


星那「……落ち着く。」


綺羅は思わず笑う。


綺羅「まだ五分も経ってないよ?」


星那「綺羅の家だから。」


その一言に、綺羅はまた照れてしまう。


綺羅「ほんと今日は反則。コーヒー淹れるね。」


綺羅がキッチンへ向かう。

その後ろ姿を見つめながら、星那は小さく微笑んだ。

復讐しかなかった綺羅が笑っている。

それだけで胸がいっぱいだった。