風が優しく二人の間を吹き抜ける。

綺羅は少しだけ星那へ近付く。

そして、そっとその身体を抱き締めた。

星那は一瞬驚いたように目を見開く。


綺羅「これからは一人で抱え込まないで。辛い時は半分ちょうだい。嬉しいことは二人で喜ぼう。悲しいことも。二人で乗り越えよう。」


星那はゆっくり腕を伸ばし、綺羅を抱き締め返した。

初めて自分から抱き締める。

とても大切な人を。


星那「……うん。約束。」


綺羅は星那の肩へそっと頬を預け、小さく微笑んだ。


綺羅「おかえり。」


突然の言葉に、星那は少し首を傾げる。

綺羅は優しく笑う。


綺羅「安心できる場所に。ちゃんと帰ってこれたね。」


その言葉に、星那は胸がいっぱいになった。

涙を堪えながら、小さく微笑む。


星那「……ただいま。」


夕焼けに包まれた屋上で。

ようやく二人の想いは、一つになった。