綺羅は一歩、星那へ近付く。

二人の距離は、あと少し。

綺羅は星那を見つめながら、ゆっくり口を開いた。


綺羅「私ね、ずっと怖かった。大切な人が出来たらまた失うんじゃないかって。だから、復讐だけを見てればいいって思ってた。」


少しだけ空を見上げる。

そして、もう一度星那を見る。


綺羅「でも、星那と出会って笑うことを思い出した。守りたいって思えた。幸せになりたいって思えた。」


綺羅はそっと星那の手を握る。

あの日とは逆だった。

今度は綺羅から。


綺羅「私も星那が好き。」


その言葉を聞いた瞬間。

星那の瞳が大きく揺れた。

綺羅は少し照れたように笑いながら、星那の手を握る。

夕焼けが二人を優しく包み込み、止まっていた時間がゆっくりと動き始めた。