風が優しく二人の間を吹き抜ける。

星那はゆっくり綺羅へ一歩近付いた。

もう手を伸ばけば届く距離。


星那「綺羅。病院でやっと分かった。おれ、綺羅が好き。」

その一言は、とても静かだった。

だけど誰よりも真っ直ぐだった。


星那「好きだから守りたい。笑っててほしい。ずっと隣にいてほしい。……おれの隣に」


綺羅の瞳から涙が一粒、頬を伝う。

夢の中で聞いた琉羽の声が胸に響く。

――『今度は、お前が幸せになれ。』

綺羅は涙を拭いながら、小さく笑った。

その笑顔は、今までで一番優しかった。