窓の外はすっかり夕焼け色に染まっていた。
学校から帰ってきたばかりなのに、随分長い一日だった気がする。
転校初日。
普通なら緊張したとか、友達が出来たとか、そんな事を考えるんだろう。
だけど私の頭に浮かぶのは別の事ばかりだった。
久しぶりの学校。
久しぶりの教室。
久しぶりの授業。
それなのに不思議と嫌じゃなかった。
むしろ少しだけ懐かしかった。
もっと疲れると思っていたのに。
それはきっと翔のおかげなんだと思う。
うるさくて、距離が近くて、放っておいてくれない。
正直少し面倒だ。
だけど嫌な奴じゃない。だからだろうか。
教室にいても思っていたより息苦しくなかった。
そして、もう一人。ふと屋上で会った星那を思い出す。
本当に変な人だった。
初対面の相手に興味を示さないし、授業は平気でサボろうとするし、会話もどこか噛み合わない。
それなのに妙な居心地の良さがあった。
私が女だからと騒がない。
過去を聞いてこない。
無理に距離を縮めようともしない。
ただそこにいる。
それだけだった。
だから楽だったのかもしれない。
いや。
別に好きとかじゃない。
仲良くなりたい訳でもない。
ただ変な人だった。
それだけだ。
そう自分に言い聞かせながら、私はソファに深く身体を沈めた。



