風が二人の間を吹き抜ける。
綺羅は少しだけ俯き、小さく息を吐いた。
綺羅「星那。」
星那「?」
綺羅「私ね、夢で琉羽に会った。」
星那は驚くことなく、静かに綺羅の言葉を待った。
綺羅「琉羽に言われたの。『もう俺のためだけに生きるな。』『今度は、お前が幸せになれ。』って」
綺羅はゆっくり笑う。
その笑顔はどこか寂しく、それでいて前を向いていた。
綺羅「ずっと復讐だけを考えて生きてきた。でも、もう終わった。だから今度はちゃんと前を向いて生きたい。」
綺羅は星那へ身体を向ける。
夕日に照らされた瞳が真っ直ぐ星那を映した。
綺羅「その時、一番最初に浮かんだのが星那だった。」
星那は息を呑む。
胸の鼓動がゆっくり速くなっていく。
言いたかった言葉が、もう喉まで込み上げていた。



