綺羅は夕焼け空を見上げながら、小さく笑った。
綺羅「あの頃はさ、星那がこんなに話す人だなんて思わなかった。」
星那「……話してない。」
綺羅「ふふっ。確かに。ほとんど『うん。』とか『眠い。』だけだったね。」
星那も少しだけ笑う。
星那「綺羅が喋ってた。」
綺羅「そうだった?」
星那は静かに頷く。
星那「屋上で。倉庫で。帰り道で。ずっと。」
綺羅は少し照れたように笑った。
綺羅「私、そんなに喋ってた?」
星那「……うん。その声好きだった。」
綺羅の笑顔が止まる。
星那は自分が何を言ったのか気付いていないように、夕焼けを見つめたままだった。
綺羅は胸がどきりと鳴る。
星那は昔から、思ったことをそのまま口にする。
だからこそその一言が胸に真っ直ぐ届いた。



