静かな帰り道。

二人はゆっくり並んで歩く。

どちらも何を話せばいいのか分からず、少しだけ照れくさい空気が流れていた。

しばらく歩いたところで、星那が立ち止まる。


綺羅「どうしたの?」


星那は少しだけ空を見上げた。

そして綺羅へ向き直る。


星那「約束。」


綺羅「約束?」


星那「屋上。」


綺羅は少し驚いたあと、優しく笑う。


綺羅「そうだったね。」


星那「今日、行かない?」


その一言に、綺羅は病院の屋上ではなく、月ヶ瀬学園の屋上を思い浮かべた。

二人が初めて言葉を交わした場所。

星那が初めて安心して眠れた場所。

そして、二人の物語が始まった場所。

綺羅は静かに頷く。


綺羅「……うん。行こう。」


夕日に照らされながら、二人はゆっくりと歩き出した。

その先には、二人の新しい一歩が待っていた。