病室に夕焼けの光が差し込む。
オレンジ色に染まった部屋の中で、二人はしばらく何も話さなかった。
静かな時間。
それだけで心地よかった。
やがて星那が、小さく息を吸う。
何度も言葉を飲み込み、また綺羅を見る。
綺羅「どうしたの?」
星那は少しだけ視線を逸らした。
耳がほんのり赤くなっている。
星那「……一つ。」
綺羅「うん。」
星那「お願いしてもいい?」
綺羅は優しく頷く。
綺羅「いいよ。」
星那は少しだけ緊張した表情で綺羅を見つめる。
胸が苦しくなる。
さっき自分で認めた気持ち。
もう隠したくない。
でも、まだ少し怖い。
星那は小さく息を吐き、静かに口を開いた。
星那「……綺羅、退院したら二人で屋上、行かない?」
綺羅は少し驚いたあと、ふっと優しく笑う。
綺羅「……うん。行こう。」
その約束に、星那は安心したように微笑んだ。
二人が初めて心を通わせた場所。
その屋上で、止まっていた二人の恋が、もう一歩前へ進もうとしていた。



