病室には静かな寝息が響いていた。

星那は安心しきった表情で眠っている。

綺羅はその髪を優しく撫でながら、小さく笑った。


綺羅「ほんとに安心すると寝るんだね。」


紫月は静かにその様子を見つめる。


紫月「……その顔。」


綺羅「え?」


紫月「気付いてないのは、お前だけだ。」


綺羅は不思議そうに首を傾げる。

真尋は笑いながら立ち上がった。


真尋「俺ら、自販機行ってくるわ。」


那瑠「空気読まねぇとな。」


綾人「星那起きたら呼べよ。」


三人は意味深な笑みを浮かべながら病室を出ていく。

最後に紫月だけが扉の前で振り返った。

紫月は綺羅を見て、小さく微笑む。


紫月「……ちゃんと、自分の気持ちと向き合え。」


そう言い残し、静かに扉を閉めた。

病室には綺羅と星那、二人だけ。

綺羅は膝の上で眠る星那を見つめる。

夢の中で琉羽に言われた言葉が、ふと胸に蘇る。

――「今度は、お前が幸せになれ。」

綺羅は無意識に星那の前髪を優しく撫でながら、小さく微笑んだ。