綺羅が目を覚ましてから三日が過ぎた。

傷はまだ痛むものの、少しずつ歩けるようになり、病院の廊下をリハビリ代わりに歩く時間も増えていた。

その日も、看護師に付き添われながら廊下を歩いていると、待合スペースのソファで眠っている星那の姿が目に入る。

綺羅は思わず足を止めた。


綺羅「……星那。」


相変わらず目の下には薄く隈が残っている。

それでも以前より穏やかな寝顔だった。

看護師が小さく笑う。


看護師「毎日来てるんですよ。面会時間が始まる前から来て、終わるまでずっと。今日はやっと眠れたみたいですね。」


綺羅は驚いたように星那を見つめる。

毎日ずっと私のために。

胸がじんわりと温かくなる。

綺羅はそっと星那の前まで歩くと、優しく前髪を撫でた。


綺羅「……ありがとう。」


その小さな声に反応するように、星那は眠ったまま安心したように少しだけ笑った。

その笑顔を見た綺羅も、自然と微笑んでいた。