真尋達は笑いを堪えながら病室へ入ってきた。


那瑠「違うって言われてもなぁ。」


綾人「俺らにはそうは見えなかったけど?」


綺羅「これは違うの!星那が離してくれなくて……。」


そこまで言った瞬間。

綺羅は自分で墓穴を掘ったことに気付く。

真尋達は一斉に星那を見る。

星那は少しだけ首を傾げた。


星那「……?」


真尋「星那。お前、離さなかったのか?」


星那は悪びれる様子もなく小さく頷く。


星那「うん。綺羅がいなくなると思った。」


あまりにも真っ直ぐな答えだった。

病室が静まり返る。

綺羅は耳まで真っ赤になる。


綺羅「せ、星那!」


那瑠は肩を震わせながら笑う。


那瑠「無自覚って怖ぇ……。」


綾人「これは勝てねぇわ。」


紫月だけは静かに口元を緩めていた。