コンコン――。

病室の扉がノックされた。

綺羅は慌てて星那の手を離そうとする。

しかし星那がそっとその手を握り返した。


星那「……離さなくていいよ。」


その一言に、綺羅は少しだけ照れたように目を伏せる。


真尋「失礼するぞ。」


真尋の声とともに病室の扉が開いた。

真尋、紫月、那瑠、綾人が笑いながら入ってくる。


真尋「綺羅、調子──」


そこまで言って言葉が止まる。

全員の視線が、繋がれた二人の手へ向いた。

部屋が一瞬静まり返る。


綺羅「あ……。」


星那「……。」


二人とも同時に固まる。

次の瞬間。


那瑠「お、お邪魔しましたー。」


綾人「まだ早かったか?」


真尋「帰るか?」


三人が踵を返そうとする。


綺羅「ち、違うから!」


慌てて止める綺羅の声が病室に響いた。