どこまでも白い世界だった。

空も地面も風さえも白く霞んでいる。

綺羅はゆっくりと目を開けた。


綺羅「……ここ。」


どこだろう。

そう呟きながら歩き出そうとした、その時だった。


?「相変わらず方向音痴だな。」


懐かしい声が耳に届く。

綺羅の身体が止まる。

震えながら振り返る。

そこには、優しく笑う青年が立っていた。

黒い特攻服に少し癖のある髪。

何度夢に見ても、決して触れることのできなかった人。

綺羅の瞳から涙が溢れた。


綺羅「……琉羽。」


琉羽「久しぶり。」


いつもと変わらない笑顔だった。

綺羅は駆け出し、琉羽へ飛び付く。


綺羅「琉羽っ……!会いたかった……!」


涙が止まらない。

何年分もの想いが溢れ出す。

綺羅は琉羽の服をぎゅっと掴み、声を震わせた。


綺羅「ごめん……守れなくて、ごめん……。」


琉羽は何も言わず、綺羅の頭を優しく撫でた。

その手は昔と同じように温かかった。