星那は綺羅の手を握ったまま、小さく息を吐く。
胸が苦しい。
こんなに苦しいのに、不思議と嫌じゃない。
失いたくない。
ずっと隣にいてほしい。
笑っていてほしい。
その願いばかりが溢れてくる。
星那は眠る綺羅を見つめ、小さく笑った。
星那「……そうか。」
ようやく分かった。
どうして綺羅がいないだけで眠れなかったのか。
どうして見つけた瞬間、安心して倒れたのか。
どうして綺羅が傷付いた時、何も考えられなくなったのか。
全部、一つの答えだった。
星那は照れたように少しだけ目を伏せる。
そして誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。
星那「……好き。」
少しだけ間を空ける。
自分の気持ちを確かめるように、もう一度。
星那「おれ……綺羅が、好き。」
その瞬間に眠ったままの綺羅の指先が、ほんのわずかに動いた。



