星那は眠る綺羅の手をそっと両手で包み込んだ。

少し前まで、この手は自分を押し飛ばしていた。

鉄パイプから守るために。

星那はゆっくり目を閉じる。

あの瞬間が何度も頭の中で繰り返される。

『星那ぁっ!!』

綺羅の叫び声。

次の瞬間には、鈍い音が響いていた。

血を流しながら倒れていく綺羅。

自分の名前を呼びながら笑った綺羅。

『今度は……守れて、よかった。』

その言葉が胸から離れない。


星那「……よくない。」


小さく呟く。


星那「全然、よくない。おれは……守られたかったんじゃない。」


震える声だった。

星那は綺羅の手を額へ当てる。


星那「守りたかった。おれが。綺羅を。」