病室の中では綺羅が静かに眠っている。

規則正しく鳴る心電図。

一定の間隔で聞こえる電子音。

その音だけが、綺羅が生きていることを教えてくれていた。

星那はベッドの横へ椅子を寄せると、そっと綺羅の手を握る。

まだ温かい。

その温もりに少しだけ安心する。


星那「……ごめん。おれのせいで痛い思いさせた。」


返事はない。

綺羅は静かに眠ったままだ。

それでも星那は手を離さない。

もし離したらまた綺羅が遠くへ行ってしまう気がした。

そこへ病室の扉がノックされる。


看護師「失礼します。」


点滴を交換しながら、看護師は優しく微笑んだ。


看護師「彼氏さんですか?」


星那は一瞬きょとんとする。


星那「……違う。」


少しだけ間を空けて、小さく付け加えた。


星那「……まだ。」


その言葉に、病室の入口で聞いていた真尋達は思わず顔を見合わせた。