廊下に緊張が走る。

星那は医師を真っ直ぐ見つめていた。

医師はカルテへ目を落としながら話し始める。


医師「命に別状はありません。ですが、かなり強い衝撃を受けています。出血量も多く、一歩間違えれば命を落としていてもおかしくありませんでした。」


綺羅を守れなかった。

その言葉が星那の胸へ重く突き刺さる。

医師はさらに続けた。


医師「今夜が峠という状態ではありません。ですが、しばらくは絶対安静です。まだ意識も戻っていません。目を覚ますまでには時間が掛かるでしょう。」


星那は小さく拳を握った。

綺羅は生きている。

その事実だけで十分だった。

それでも今すぐ笑ってくれるわけではない。

その現実が胸を締め付ける。