どれくらい時間が経ったのか。

誰も口を開かなかった。

手術室の赤いランプだけが、静かな廊下を照らしている。

星那は膝を抱えたまま、一度もその場を動かなかった。

真尋達も、それぞれ壁にもたれたり椅子へ腰を掛けたりしながら、ただ祈ることしかできない。

その時だった。

――ガチャ。

静かに手術室の扉が開いた。

全員が一斉に立ち上がる。

星那も勢いよく顔を上げた。

医師がマスクを外し、ゆっくりと口を開く。


医師「ご家族の方はいらっしゃいますか?」


真尋達は顔を見合わせる。

真尋が一歩前へ出た。


真尋「家族ではありませんが仲間です。」


医師は小さく頷いた。

そして静かに続ける。


医師「手術は無事に終わりました。」


その言葉に、全員の肩から一気に力が抜ける。

しかし医師は表情を崩さなかった。


医師「ですが……。」