長い沈黙のあと。
星那は膝へ顔を埋めたまま、小さく呟いた。
星那「……おれが。」
声が震えている。
星那「おれが綺羅を呼んだから。おれを庇った。おれが行かなければ……綺羅は傷付かなかった。」
廊下が静まり返る。
真尋はゆっくり星那の前へしゃがみ込んだ。
真尋「違う。」
星那はゆっくり顔を上げる。
真尋は真っ直ぐ星那を見つめた。
真尋「綺羅は、自分で選んだんだ。お前を守るって。だから、お前が自分を責めることが、一番綺羅を悲しませる。」
星那の瞳から、また一粒涙が零れ落ちる。
何も言い返せなかった。
ただ、赤く灯り続ける手術中のランプを見つめる。
どうかお願いだからまた笑ってほしい。
その願いだけを胸に、星那は静かに祈り続けていた。



