救急車の中では救急隊員達が慌ただしく処置を続けている。

星那は綺羅の隣へ座り、握った手を一度も離さなかった。


救急隊員「血圧低下。酸素。急ぎます!」


慌ただしい声が飛び交う。

それでも星那の耳にはほとんど入っていなかった。

視線はずっと綺羅だけ。


星那「……綺羅。」


小さく名前を呼ぶ。

返事はない。

星那はゆっくり綺羅の手を握り直した。


星那「今度はおれが守る。」


その言葉には決意が込められていた。

もう二度と目の前で大切な人を傷付けさせない。

その強い想いを胸に、星那は静かに綺羅の眠る横顔を見つめ続けた。

救急車は夜の街を走り抜け、病院へ向かっていく。