綺羅は苦しそうに呼吸を繰り返していた。

背中を強く打たれた衝撃で、意識は今にも途切れそうになる。

それでも。

目の前には無事な星那がいた。

その姿を見た綺羅は、小さく安心したように笑う。


綺羅「……星那。」


星那「喋らないで。お願いだから、もう喋らないで。」


震える声だった。

綺羅はゆっくり首を横へ振る。

そして震える手を持ち上げると、星那の頬へそっと触れた。


綺羅「……よかった。」


星那「……。」


綺羅「今度は……守れて……よかった。」


その言葉を聞いた瞬間。

星那の瞳から涙が零れ落ちた。

綺羅は安心したように小さく微笑む。

そしてゆっくりと目を閉じた。

頬へ添えられていた手が力なく落ちる。


星那「……綺羅?」


返事はない。


星那「綺羅……?」