皇蓮司が拳を振り抜く。

だが星那はその拳を片手で受け止めた。


皇蓮司「……っ!?」


初めて皇蓮司の表情が変わる。

星那は無言のまま拳を握り締めた。

ドゴッ!!

腹へ一撃。

皇蓮司の身体がくの字に折れる。

続けて顔面。

横腹。

膝。

一切迷いのない連撃。

皇蓮司は防戦一方だった。


黒焔の下っ端「総長!!」


助けに入ろうとした男も、一撃で沈む。

星那は止まらない。

綺羅を傷付けた。

その事実だけが頭を支配していた。


真尋「星那!!」


那瑠「もうやめろ!!」


綾人「星那!!」


紫月も叫ぶ。


紫月「星那!!」


しかし、星那の耳には誰の声も届いていなかった。

黒焔の下っ端達が次々と立ちはだかり、真尋達は前へ進めない。


真尋「邪魔だぁ!!」


那瑠「どけぇっ!!」


それでも星那は拳を振るい続ける。

まるで感情だけで動く獣のように。